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秋田県、クマ出没に住民「もう限界」の声‥なぜ多いのか

社会に広がる波紋と葛藤

この異常事態は、社会にさまざまな波紋を広げている。

SNSでの反応と有名人の声

SNSでは不安の声が渦巻き、佐竹前知事は現状を「もう戦争だよ」と表現し、切実さを訴えた。また、地域おこし協力隊として東成瀬村に住んでいたインフルエンサーのいけちゃん氏は、かつての自宅周辺での被害報道に「家の近所 地区まで一致 怖すぎる」とX(旧Twitter)に投稿し、身近な恐怖を伝えている。

秋田県東成瀬村でクマに襲われ複数人けがのニュース、家の近所 地区まで一致 怖すぎる— いけちゃん (@ikechan0920)

駆除を巡る対立

一方で、クマの駆除に対しては県外から「かわいそう」「殺すな」といった抗議の電話が殺到。業務に支障をきたすほどの「カスタマーハラスメント」に発展するケースもある。横手市は「誹謗・中傷には毅然とした対応をとる」と異例の声明を発表する事態となった。命の安全と動物愛護の狭間で、社会は深く分断されている。

私たちにできること

県は、クマとの遭遇を避けるための基本的な対策を繰り返し呼びかけている。山や畑に入る際は鈴やラジオで音を出す、家の周りに生ゴミや収穫しない柿などを放置しない、車庫や物置の戸を閉める、といった地道な対策が、クマを人里に引き寄せないために不可欠だ。

秋田県公式YouTubeチャンネル「WebTVあきた」による注意喚起動画

専門家は、クマとの「共生」とは、手を取り合うことではなく「上手に距離をとり、住み分けること」だと語る。人とクマ、双方のテリトリーを守るための知恵と努力が、今ほど求められている時はない。秋田の静かな日常を取り戻すための闘いは、まだ始まったばかりである。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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