一山本の相撲スタイルと愛される人柄

一山本関の魅力は、その経歴だけではない。土俵での取り口と、土俵を離れた際に見せる人間味あふれるキャラクターが、多くのファンを惹きつけている。

基本に忠実な突き押し相撲

188cmの長身と長いリーチを活かした、スピード感のある突き押しが得意技だ。彼の相撲の根底には、公務員時代に子どもたちを指導した経験が生きている。指導者として相撲の基礎を見つめ直した経験が、基本に忠実で冷静な取り口につながっていると分析されている。2025年3月場所では、横綱・豊昇龍を破って金星を挙げるなど、その実力は幕内上位にも通用することを証明した。

「推し活」に励むチャーミングな一面

土俵上の厳しい表情とは裏腹に、インタビューでは常に笑顔を絶やさず、ハキハキと話す姿が印象的だ。ファンからは「明るくて爽やか」「見ていて応援したくなる」といった声が上がる。その人柄はメディアでも注目され、バラエティ番組への出演も増えている。

日本相撲協会の公式プロフィールによると、趣味は「若隆景グッズ集め」で、座右の銘は「推しは推せる時に推せ」。自他ともに認める「若隆景ファン」であり、自身のSNSでもその熱意を隠さない。こうした親しみやすい一面も、彼の人気を支える大きな要因だろう。

メディア露出で高まる知名度

2025年10月、一山本関の知名度をさらに押し上げる出来事があった。日本テレビ系「ヒルナンデス！」への出演である。

「ヒルナンデス！」で見せた食いしん坊キャラ

一山本関は、10月20日放送回で東京・谷中銀座商店街でのグルメロケに参加。「パンが好き」と公言し、焼き芋や鰻鍋などを美味しそうに頬張る姿が放送された。さらに翌週27日の放送では、北海道物産展を訪れる企画にも登場。出身地である北海道の味覚を前に、満面の笑みを見せた。

SNSでの反響

この放送を受け、X（旧Twitter）などのSNSでは「一山本関、おいしそうに食べる姿がかわいい」「ロケ慣れしてない感じが逆に面白い」「好感度しかない」といった好意的な投稿が相次いだ。力士としての強さだけでなく、親しみやすい「食いしん坊」なキャラクターが、相撲ファン以外の層にも広く認知されるきっかけとなった。

故郷・北海道との絆と今後の展望

一山本関は、道内出身で唯一の幕内力士（2025年8月時点）として、地元・北海道で絶大な人気を誇る。故郷・岩内町の観光大使も務め、地方巡業などで北海道に凱旋した際には、横綱をしのぐほどの声援を受けることもあるという。公務員として地域に貢献した経験は、今もなお地元との強い絆として生きている。

2025年9月場所は西前頭五枚目で4勝11敗と悔しい結果に終わったが、彼の挑戦はまだ道半ばだ。公務員から力士へという前例の少ない道を切り拓いてきた精神力と、基本に忠実な相撲を武器に、三役昇進、そして更なる高みを目指す姿から目が離せない。

まとめ

安定した職を捨て、夢を追って角界に飛び込んだ一山本関。その異色の経歴は、彼の相撲人生に深みを与えている。公務員時代に培った基礎を重んじる姿勢と、メディアで見せる天真爛漫な人柄。そのギャップこそが、多くの人々を惹きつける最大の魅力なのかもしれない。土俵の上でも外でも、一山本関の次の一手は、いつも我々に新鮮な驚きと活力を与えてくれるだろう。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]