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【大人の散策レポ】混雑だけじゃない!2025年秋、金閣寺から嵐山まで巡って見つけた京都の「本当の顔」

「京都の有名どころは、どこも人でいっぱいだよね?」
旅に出る前、友人からそんな言葉をかけられました。確かに、金閣寺、清水寺、嵐山といえば、国内外から観光客が押し寄せる超人気スポット。美しい写真の裏には、いつも人混みがある…そんなイメージが定着しているかもしれません。

しかし、実際に2025年9月の秋風が心地よい季節に訪れてみて、私は断言できます。王道スポットには、今もなお心を揺さぶる「静寂」と「歴史の重み」が確かに存在していました。 大切なのは、ほんの少しの知識と工夫。今回は、私が体験した「喧騒を離れたもう一つの京都」の魅力と、その楽しみ方をお伝えします。

今回巡った京都の王道スポット基本情報

まずは、今回訪れた場所の基本情報を表にまとめました。拝観時間や料金は季節や特別拝観で変動することがあるので、訪れる前には必ず公式サイトを確認してくださいね。

名称拝観時間拝観料(大人)アクセス
金閣寺(鹿苑寺)9:00~17:00500円市バス「金閣寺道」下車
銀閣寺(慈照寺)夏季(3/1-11/30) 8:30~17:00
冬季(12/1-2月末) 9:00~16:30
500円市バス「銀閣寺道」下車
清水寺6:00~18:00 (季節により変動)500円市バス「清水道」徒歩約10分
嵐山 竹林の小径24時間散策可能無料JR「嵯峨嵐山駅」徒歩約10分

※2025年9月現在の情報です。料金や時間は変更される可能性があります。

喧騒の先にある「本物」の京都体験

ただ有名な建物を眺めるだけではもったいない。それぞれの場所で私が感じた、一歩踏み込んだ魅力をご紹介します。

金閣寺:輝きだけではない、計算された庭園美

あまりにも有名な、池に映る黄金の舎利殿。その美しさは息をのむほどですが、多くの人が写真を撮ってすぐに次の場所へ向かってしまいます。しかし、金閣寺の真価は、その後の順路にこそあると感じました。

足利義満が極楽浄土を表現しようとしたとされる庭園は、衣笠山を借景にした壮大なスケール。 順路を進むと現れる「陸舟の松(りくしゅうのまつ)」は、義満公が手植えしたと伝わる樹齢600年以上の松。まるで帆を張った船のような形をしており、ここから静かに金閣を眺める時間は、まさに至福でした。輝きだけでなく、その周到に設計された庭園全体を味わうことで、歴史の重みを肌で感じることができました。

銀閣寺:わびさびの心に触れる静寂の空間

金閣寺の華やかさとは対照的に、銀閣寺は「わびさび」の精神を静かに語りかけてきます。銀箔が貼られていない銀閣(観音殿)は、むしろその落ち着いた佇まいが心を穏やかにしてくれます。

特に印象的だったのは、白砂で波紋を表現した「銀沙灘(ぎんしゃだん)」と、富士山を模したとされる「向月台(こうげつだい)」。これらは月の光を反射させるためと言われており、夜の静寂の中で月光に照らされる様を想像すると、なんとも言えない幽玄な気持ちになりました。苔むした庭をゆっくりと歩き、鳥の声に耳を澄ませば、都会の喧騒が遠い昔のことのように感じられます。

清水寺:舞台の上より「舞台を望む」贅沢

清水寺(三重塔と紅)

「清水の舞台から飛び降りる」の言葉で知られる本堂の舞台。もちろん素晴らしいのですが、私があえておすすめしたいのは、舞台を渡りきった先にある「奥の院」から本堂の舞台を眺めることです。

奥の院から見ると、懸造(かけづくり)と呼ばれる伝統工法で組まれた舞台の構造と、その向こうに広がる京都市街の景色が一望できます。ここから眺める夕景は格別です。

また、清水寺は朝6時から開門しているのが最大のポイント。 早朝に訪れれば、日中の喧騒が嘘のような静寂の中で、荘厳な空気を独り占めできます。公式チャンネルでは観光案内とは少し違いますが、清水寺の10年を紡いだドキュメンタリー映像が公開されています。訪れる前に見ると、より深く歴史や思想を感じられるかもしれません。

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