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【スマホ新法】iPhoneに規制?2025年12月からiPhoneユーザーの未来はどう変わる?

「安全神話」の終わり?セキュリティへの懸念

もう一つの大きな懸念がセキュリティだ。新法により、App Store以外からアプリをダウンロードする「サイドローディング」が事実上可能になる。これは選択肢が増える一方で、Appleの厳格な審査を経ていない、悪意のあるアプリや詐欺的なアプリが流通するリスクを高める。

これまでiPhoneは「Androidに比べて安全」というイメージが強かった。それは、Appleがアプリの流通を厳しく管理してきたからに他ならない。その門が少し開かれることで、利用者はこれまで以上に自己防衛の意識を持つ必要が出てくるかもしれない。

SNSでの喧騒と専門家の冷静な視点

こうした懸念から、X(旧Twitter)などのSNSでは「iPhone終了」「過去最悪の改悪」といった刺激的な言葉が飛び交い、ユーザーの不安を煽るような投稿も少なくない。

12月から始まる(スマホ新法)ご存知ですか? 日本のiPhoneに機能制限がかかるだけでなくセキュリティー的にも弱くなる可能性が高いんです。— パソコン博士TAIKI (@TAIKI_PCyoutube)

一方で、専門家や冷静なウォッチャーからは、過度な悲観論をいさめる声も上がっている。例えば、公正取引委員会が公表した指針では、企業の知的財産権の正当な行使であれば問題ない、と明記されている。 これは、Appleなどが持つ技術の根幹を不当に侵害するものではない、という配慮の表れと読める。

また、あるブロガーは「DMA(欧州の同様の法律)で浮かんだ課題をほとんどクリアにした状態で交付されたことは公取委の成果」と評価しており、法律の設計自体はバランスが取れているとの見方もある。 結局のところ、法律の運用がどうなるかを見極める必要がある、というのが実情だろう。

変化の先に待つものは

「スマホ新法」は、巨大IT企業が作り上げた便利な世界に、競争という新しい風を吹き込もうとする試みだ。それは、例えるなら、一つの会社が全ての店を経営する巨大なショッピングモールに、個人商店の出店を認めるようなものかもしれない。品揃えは豊かになるかもしれないが、店の質や安全性は自己責任で確かめる必要が出てくる。

私たちの手の中にあるスマートフォンは、もはや単なる電話機ではなく、生活の基盤そのものだ。そのルールが変わることは、生活の変化に直結する。利便性と安全性のバランスをどう取るのか。そして、生まれる新たな選択肢をどう活かすのか。法律の施行まであと数ヶ月。私たち利用者一人ひとりが、この変化に関心を持ち、賢く情報を取捨選択していく姿勢が求められている。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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