MEDIA DOGS

スマホで完結、でも続きを求める中毒性——縦型ショートドラマがなぜ刺さるのか?

人気ショートドラマアプリ徹底比較——あなたに合うのはどれ?

現在、数多くのショートドラマアプリがしのぎを削っている。ここでは代表的なアプリの特徴を紹介する。

【日本発】BUMP:マンガ感覚で楽しむ

emole株式会社が運営する「BUMP」は、日本初のショートドラマアプリとして知られる。最大の特徴は、マンガアプリのように「待てば無料」や広告視聴で多くの作品を楽しめる点だ。

2025年上半期の視聴数1位に輝いた『結婚詐欺師と堕ちる女』など、日本の視聴者の感覚に合わせたオリジナル作品を多数制作しており、若者を中心に強い支持を得ている。

【海外発】DramaBox:世界最大級の作品群

世界200以上の国と地域で展開する最大級のアプリ。中国発の刺激的な恋愛・復讐劇が豊富で、日本語吹き替え版も充実している。

ログインなどのデイリーミッションをクリアすることで無料視聴できる仕組みがあり、手軽に海外のトレンドに触れたいユーザーにおすすめだ。週ごとのサブスクリプションプランも用意されている。

【新興勢力】タテドラ、テラードラマ:国内企業の挑戦

2025年に入り、国内企業の参入も活発化している。ゲーム会社DONUTSがリリースした「タテドラ」は、2025年1月に登場した国産サービスで、独占オリジナル作品に力を入れる。

また、小説投稿アプリ運営のテラーノベル社による「テラードラマ」も2025年3月に登場し、刺激的な復讐劇などで話題を集めている。国内制作ならではの作品展開に期待がかかる。

ビジネスとしての可能性と今後の展望

新たな広告媒体としての価値

企業にとって、縦型ショートドラマは無視できない広告媒体となりつつある。

従来の広告と異なり、物語の中に商品やサービスを自然に溶け込ませる「ストーリー仕立ての広告」として、視聴者に受け入れられやすい。広告感が薄いため最後まで視聴されやすく、ブランドへの好感度向上にもつながる。

すでにJALやトヨタといった大手企業もプロモーションに活用し、成果を上げている。

多様化する収益モデル

ビジネスモデルも進化している。当初は広告収益が主だったが、現在は1話ごとに課金する「話売り型」が主流だ。特に中国発のアプリでこのモデルが確立され、日本にも普及。ユーザーが直接コンテンツに対価を支払うB2C市場が形成されつつある。

これは、クリエイターにとって新たな収益源となる可能性を秘めており、制作会社も企業案件(B2B)だけでなく、自社プラットフォームでの直接課金(B2C)へとビジネスの舵を切り始めている。

新たな文化圏の形成

縦型ショートドラマの流行は、単なる一過性のブームではない。それは、スマートフォンの普及というテクノロジーの変化、タイパを求めるユーザー心理、そしてSNSと連動した新たなビジネスモデルが複合的に絡み合って生まれた、必然の帰結と言えるだろう。

テレビの前で家族揃ってドラマを観た時代から、一人ひとりが手のひらの上で自分だけの物語を消費する時代へ。この新しい文化圏は、今後も私たちの生活や価値観に静かだが、確実な影響を与え続けていくに違いない。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Return Top