テレビ局とクリエイター集団、異色タッグの狙い
このプロジェクトをさらに興味深くしているのが、テレビ朝日という巨大メディアと、ごっこ倶楽部という新進気鋭のクリエイター集団の組み合わせだ。一見、水と油にも思えるこのタッグには、双方の明確な狙いがある。
伝統と革新の化学反応
テレビ局は、長年培ってきた企画構成力や、金子隼也やGirls²の山口綺羅といった魅力的な若手俳優をキャスティングする力を持つ。一方、ごっこ倶楽部は、TikTokという土壌でどうすれば人の心を掴み、拡散されるかを知り尽くしている。
伝統的なメディアの「質」と、デジタルネイティブなクリエイターの「熱量」が融合することで、これまでにない化学反応が起きているのだ。
出演者の一人、入江日奈子も「お話ごとにカップルの組み合わせが変わっていくワクワク感」を魅力として語っており、この仕掛けが演者側にも新鮮な刺激を与えていることがうかがえる。
「『#5151』の見どころは、お話ごとにカップルの組み合わせが変わっていくワクワク感と、学生ならではの青春をテーマにした友情や恋愛」– 入江日奈子
また、9月以降には企業とタイアップしたブランデッドショートドラマの制作も計画されており、このチーム体制が新たなビジネスモデルの構築も見据えていることは明らかだ。
視聴者が物語を育てる時代へ
『#5151』の成功は、単に新しいヒット作が生まれたという話に留まらない。それは、ドラマというエンターテインメントの主役が、作り手から視聴者へと移り変わる時代の到来を告げているのかもしれない。
自分の「推し」への一票が、物語の未来を創っていく。この手触り感のある体験は、一度味わうと癖になる。今後、この「視聴者主役」の流れがテレビや映画など、他のメディアにどのような影響を与えていくのか。今はまだ、その始まりにすぎないのだろう。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
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