謎を深める登場人物たちの特異な関係性
視聴者の推理を一層かき立てるのが、登場人物たちの特異な関係性だ。ネルラの父・寛(段田安則)、弟・レオ(板垣李光人)、叔父・考(岡部たかし)は、同じマンションの別々の階に住んでいる。劇中では、彼らが互いの部屋の合鍵を持っている可能性が示唆されており、誰がいつどこにいたのか、アリバイ工作も容易なこの設定は、まさに「謎解きをしようとする側を泣かせる設定」と言えるだろう。
ドラマと視聴者の新たな「しあわせな関係」
もはや視聴率は、ドラマの価値を測るための一つの指標に過ぎないのかもしれない。このドラマの本当の成功は、視聴者を物語の「共犯者」にし、毎週木曜の夜を一大推理イベントに変えたことにあるのではないか。『しあわせな結婚』が問いかけるのは、夫婦の愛の形だけでなく、考察を通じて作品と深く結びつく、現代のドラマと視聴者の新たな「しあわせな関係」そのものである。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
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