SNSと距離を置く著名人たち
SNSとの付き合い方に悩むのは一般人だけではない。阿部寛以外にも、SNSと距離を置く、あるいは利用をやめる著名人は国内外で後を絶たない。海外では、俳優のトム・ホランドが「メンタルヘルスのため」としてSNSからの離脱を宣言し、大きな話題となった。
日本国内でも同様の動きは見られる。女優の長澤まさみは、370万人以上のフォロワーがいたインスタグラムの投稿をほぼ全て削除。お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹も、70万人以上のフォロワーがいたXのアカウントを削除した。彼らの行動は、ファンに衝撃を与えつつも、影響力の大きい人物がSNSの功罪と向き合う姿として、社会に問題を提起している。
「見ない自由」が問われる時代へ
情報の洪水の中で、私たちは常に何かを見て、知り、反応することを半ば強制されている。阿部寛の「リツイートって何?」という一言は、そんな現代社会において、何を知り、何を知らないかを選択する「見ない自由」の価値を逆説的に浮かび上がらせた。
SNSがコミュニケーションや情報収集のツールとして強力であることは間違いない。しかし、それに振り回されるのではなく、主体的に距離感をコントロールすることの重要性が増している。阿部寛の自然体な姿勢は、デジタル社会に生きる私たち一人ひとりに対し、自分にとって本当に大切なものは何か、そして情報とどう向き合うべきかを静かに、しかし力強く問いかけているのである。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
コメントはこちら