2025年9月29日に放送を開始するNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。そのヒロインに2892人もの応募者の中から選ばれたのが、女優の髙石あかり(22)である。
舞台『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役で注目を集め、映画『ベイビーわるきゅーれ』でカルト的な人気を獲得した彼女は、一体どのような人物なのか。その経歴と魅力、そして新作朝ドラへの期待に迫る。
朝ドラの新たな顔、髙石あかり
2024年10月、次期朝ドラのヒロインとして髙石あかりの名が発表された際、SNSでは「誰?」という声が少なからず上がった。でも、だからといって彼女が“突然出てきた新人”というわけではない。むしろ、映画ファンや演劇ファンの間ではすでに「実力派」として知られ、業界内での評価は非常に高かった。業界関係者からは「キャスティング会議で名前が頻繁に挙がる存在」と評されており、今回の抜擢は、まさに満を持しての「発見」と言えるだろう。
彼女は過去に「舞いあがれ!」「あんぱん」のオーディションにも挑戦しており、三度目の正直で夢を掴んだ。その粘り強さもまた、彼女の魅力の一つである。
異色のキャリア。アイドルから実力派女優へ
舞台『鬼滅の刃』での飛躍
髙石のキャリアは、2014年のキッズコンテスト受賞をきっかけに始まった。その後、ダンスボーカルグループ「α-X’s」のメンバーとして活動するが、2019年からは女優業に本格的にシフト。彼女の名を世に知らしめたのが、2020年の舞台『鬼滅の刃』で演じた竈門禰豆子役だ。
竹の口かせで表情が制限され、セリフがほぼないこの難役を、目線の動きや佇まいだけで見事に表現。原作ファンからも「禰豆子そのもの」と絶賛され、大きな話題を呼んだ。
映画『ベイビーわるきゅーれ』で確立した評価
舞台での成功に続き、彼女の評価を決定づけたのが、2021年公開の映画『ベイビーわるきゅーれ』である。女子高生殺し屋コンビの日常をコミカルかつスタイリッシュに描いたこの作品で、髙石は伊澤彩織と共にW主演を務めた。アイドル時代に培ったダンス経験を生かしたキレのあるアクションと、等身大の若者を演じる自然な掛け合いが融合。
当初は小規模公開だったが、口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録。シリーズ化されるほどの人気作となり、彼女はコアな映画ファンの間で確固たる地位を築いた。
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