お笑いコンビ「とんねるず」の木梨憲武(63)が、自身のラジオ番組で見せた相方・石橋貴明(63)への振る舞いが、静かな感動を呼んでいる。多くを語らず、行動で示すその「粋」な想い。それは、45年という長い歳月を共に歩んできた二人だからこそ成せる、無二のコミュニケーションの形だった。
電波に乗せた「1番だけの」エール
出来事が起きたのは、2025年9月13日放送の「土曜朝6時 木梨の会。」(TBSラジオ)でのこと。食道がんと咽頭がんの治療のため芸能活動を休止中の石橋について、木梨は番組の最後にこう切り出した。「とんねるず方面、貴明が治ったら、また違うライブが始まると思います」。その言葉に続けて選んだ曲は、1992年に発表されたコンビの名曲「セブンスコードを天国にくれ」だった。
しかし、曲が流れると事態は思わぬ展開を迎える。石橋が歌う1番が終わったところで、無情にも放送終了時間が迫ったのだ。「ちょっと待ってよ、10秒前って!」木梨の笑いを含んだツッコミが響く中、曲はフェードアウト。結果的に、石橋の歌声だけが電波に乗る形となった。
偶然か、あるいは計算された演出か。この絶妙な幕切れが、リスナーの心を強く揺さぶったのである。
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