俳優としての道への強い意志
中島は自身のコメントで、卒業理由を「1人の人間として私には何ができるのか、自分とは何なのかと考えた時に、自分にはお芝居に対する強い思いがありました。その思いがさらに確固たるものとなり、今後は自分の足で立って俳優を主軸に活動したいと決断いたしました」と明かしている。
彼の俳優としてのキャリアは長く、ドラマ『半沢直樹』や映画『#マンホール』など、アイドルという枠を超えて高い評価を得てきた。今回の決断は、グループの一員であることに甘えるのではなく、一人の表現者として厳しい世界で自らを試したいという、彼の真摯さの表れと見ることもできる。奇しくも、過去にテレビ番組のドッキリ企画で「俳優業に専念したい」と語ったことがあり、ファンからは「ドッキリが現実になった」と、当時の記憶を重ねる声も上がっている。
残されたメンバーとグループの未来
Hey! Say! JUMPのメンバー7人も連名でコメントを発表。「初めは僕たちも戸惑い、たくさんの話し合いを重ねてまいりました」と、率直な心境を吐露。しかし最終的には「中島のお芝居に対する熱量や、独り立ちしたいという思いに応える形で門出として送り出し、これからの活動を応援することに決めました」と、盟友の決断を後押しした経緯を説明した。
2011年の森本龍太郎、2021年の岡本圭人の脱退を経て、今回で3人目のメンバー卒業となる。デビュー当初10人だったグループは7人体制で新たなスタートを切る。メンバーはファンに対し、「僕たちは前だけを見て、最高の20周年にファンの皆様を連れていきます」と力強く約束した。個人の選択を尊重しつつ、グループとしての歩みを止めない。その姿勢は、現代のグループアイドルの在り方の一つの形を示しているのかもしれない。
突然の卒業は多くのファンに寂しさをもたらしたが、同時に、中島裕翔という一人の人間の覚悟と、それを受け入れたHey! Say! JUMPというグループの絆の深さをも浮き彫りにした。それぞれの道で輝きを放つ彼らの未来に、多くの人々が静かにエールを送っている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
コメントはこちら